第149章 彼に彼女を紹介する

千葉晴美は返事をしなかった。そもそも行く気がない。

ああいう場に顔を出したところで、時間を捨てるだけだ。

会社であれこれ片づけていたら、気づけばもう七時近い。そこへ植田詩音がひょいと寄ってくる。

「晴美さん、焼肉行かない? 会社の近くに新しい店できたんだって。けっこう良さそう」

「うん……」

「晴美さん、晴美さん」

植田詩音の誘いに頷きかけた、その瞬間。

古宮美咲が、慌てた様子で駆けてきた。部長らしい落ち着きも威厳も、どこかへ置いてきたみたいに。

植田詩音が怪訝そうに古宮美咲を見る。

「古宮部長、どうしたんですか……?」

古宮美咲は植田詩音に手をひらひらさせる。

「大丈...

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