第152章 千葉晴美が人を害した

千葉晴美は後ろでぶらぶらしていた。古宮美咲はどこへ行ったのか見当たらないが、あの子は昔から何を考えているのか分からないところがある。晴美も特に気に留めなかった。

このホテルには以前よく来ていた。仕事の付き合いで一番足を運んだ場所だ。名が通るようになってからは、ぱったりと来なくなった。

毎回、癖の強い取引先をどうにかいなすために頭を絞っていたことを思い出すと、胸の奥が少しだけ痛む。いまの自分は華やかに見えるかもしれない。けれど、それは誰かに与えられたものじゃない。自分の足で、一段ずつ上がってきた結果だ。

そこへスタッフが近づいてきた。さっき中で食事はしたが、水はほとんど口にしていない。ト...

ログインして続きを読む