第163章 男同士の戦争

「上からの指示だ。かなり危険な任務になる。医療部門が、がんを治療できる新薬を見つけたんだが……盗まれた。犯人の目星はついてる。ただ、潜り込むには変装と身分偽装に長けた人間が必要で、しかも相手に気取られちゃいけない」

千葉晴美が目尻をつり上げる。

「それで、その役に私が選ばれたってわけ?」

川崎俊介は両手を広げ、晴美を見る目に惜しみない賛辞を乗せた。

「そういうこと。俺たちの中で文武両道なのはお前だけだし、それに――その国宝級の顔。相手なんて一発で武装解除だろ」

千葉晴美は口の端を上げて、わざとらしく肩をすくめた。

「先に誰か送り込んで、失敗したんじゃないの?」

その言葉に、川崎...

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