第180章 命を懸けて償う

古宮桐也がふっと鼻で笑う。

「お前は俺の妻だ。お前を信じないで、誰を信じろっていうんだ」

千葉晴美はその言葉を聞いた途端、なぜだか笑ってしまった。ぱっと花が開くみたいに明るく、眩しいほどに。

古宮桐也は、千葉晴美がこんなふうに笑うのを見たことがない。取り繕いも、警戒もない。これが――本当の彼女。

その笑顔に呑まれそうになったところで、隣から古宮美咲に呼ばれた。

「お兄ちゃん、早く決めてよ」

男は我に返り、目つきを引き締める。

「晴美に治療させる。もしおじいさんに何かあったら、責任は全部俺が取る」

周囲の親戚や知人は目を疑ったようにざわめきだす。

「桐也はどうしちまったんだ。...

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