第181章 この子はとても特別だ

千葉晴美は冷ややかにまぶたを持ち上げた。整った顔立ちのはずなのに、そこに宿るのは万事を見下ろすような凛とした気配。古宮玲奈は見れば見るほど胸の奥がざわつく。家柄だって自分のほうが上のはずなのに、どうしてそんな顔ができるのか。

――いったい、誰がこの女にそんな自信を与えた。

「じゃあ、わたしが助けられたら……あんたは命で払ってくれるの?」

もし自分が古宮爺さんを救えず、結果的に死なせてしまったら。古宮玲奈は迷いなく通報し、故意の殺人だと騒ぎ立てるだろう。そうなれば、待っているのは命で償う結末だ。

善人になろうとして、犯人扱いされる。そもそも善人かどうかなんて、彼女にとって大した問題じゃ...

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