第186章 古宮桐也やはり駄目なのか

「わ、私……今まで男の人と、こんなふうにしたことなくて。たぶん初めてだから緊張しちゃって……びっくりさせたよね」

というより千葉晴美は、そもそも男と一メートル以上近づいたことすらない。まして今日みたいに、息が触れるほどの距離で触れ合うなんて――彼女にとって前代未聞だった。

古宮桐也はその言葉に一瞬きょとんとし、すぐに整った顔を楽しげにほころばせた。

「晴美、俺は驚いてない。急ぎすぎたのは俺のほうだ。緊張してるって気づけなくて悪かった。大丈夫、これからゆっくり慣れていけばいい。いつか俺の魅力で、晴美を落としてみせる」

千葉晴美はふいに眉をひそめ、鼻の奥がむずむずして――

「……はっく...

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