第191章 二度と戻れないかもしれない

千葉晴美がオフィスに戻ると、川崎俊介からLINEが届いていた。

「明日出発だ。準備しておけ。相手の資料はもうお前のスマホに送ってある」

晴美はメールを開き、数人分の資料にざっと目を通した。どれも法の隙間を嗅ぎ回るような連中で、一筋縄ではいかない顔ぶれだ。その中には、以前は特殊部隊のエリートだった男までいる。――あの組織に高額で買われた、と見て間違いない。

明日は、正直ツキがないかもしれない。

けれど、こういう場面が初めてなわけでもない。修羅場なら、嫌というほどくぐってきた。

ただ……今回は少し、面倒なだけだ。

手元の仕事を手早く片づけ、荷物をまとめて退社しようとしたところで、山本...

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