第223章 スピード勝負

彼女はそれどころじゃなかった。いま片づけなきゃいけない用がある。部屋に戻ると、千葉晴美はトイレに入り、賀川令へ電話をかけた。

「……ボス? どうしました。指示ですか」

「丸文ホールディングスの件、洗って。古宮桐也が石原亮介と、いったい何を話してたのか」

「いや、それは……さすがに聞き出せるわけが――」

「だから、方法を考えてって言ってるの」

焦りが先に立ち、いつもより語気が強くなる。

「……ボス。本気で急いでますね。古宮桐也に、何か気づかれたんですか」

「わからない。でも、何か掴まれてる気がする」

どこかの工程で綻びが出たのかもしれない。とはいえ、古宮桐也がいつから自分を疑っ...

ログインして続きを読む