第53章 自分は女王様と結婚したのか?

露骨な警告で、少しも遠回しにせず、強引かつ直接的だった。

辻原立羽はただ可笑しく思った。

「俺が何で彼女から離れなきゃならないんだ?彼女はお前の妻じゃないだろう」

車津は横で声を出す勇気もなく、黙ってこの若者が死に物狂いで古宮社長に食って掛かる様子を眺めていた。どうやら命が惜しくないらしい。

千葉晴美は隣で頭を掻きながら、少し気まずそうな表情を浮かべていた。

「辻原さん、彼が私の旦那です」

「あんたの旦那……」辻原立羽はまた一度呆然となった。信じられない様子で千葉晴美を見つめ、そして古宮桐也を見た。

「この不自由な……この男があんたの旦那だって?あんたの旦那は古...

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