第60章 俺と晴美は夫婦だ

千葉晴美は物心ついてから、誰かに殴られたことなど一度もなかったし、まさかこんな形で…古宮桐也は頭がおかしくなったのか?

古宮桐也は眉を上げ、可笑しくて仕方がないという表情を浮かべた。

「ただ軽く叩いただけだぞ。お前さっきまで陰湿な真似をしようとしてたくせに。どうした?自分は良くて、俺はダメ。それこそ、お前が言うところの『不公平』ってもんじゃないのか?」

千葉晴美が口を開いて反論しようとした瞬間、入り口から物音が聞こえてきた。

「お兄様、いらっしゃる?お手伝いさんにごぼう茶を淹れてもらったのだけれど」

千葉晴美はまだ古宮桐也に背中を押さえつけられたままで、彼をにらみつける...

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