第92章 あの二人はどういう状況だ

車津だって修羅場を見たことがないわけじゃない。だが、たった一人の女が十数人の男相手に真正面から張り合う――そんな光景はさすがに滅多にない。

この若奥様が自信過剰なのか、それとも怖いもの知らずなのか。

彼は横目で古宮桐也にうかがった。

「古宮社長、俺が――」

言い終える前に、男は車椅子からすっと立ち上がり、地面に転がっていた棒を拾うと、そのまま人だかりの中へ歩いていった。

車津はその場で固まった。……え? 古宮社長、あんた……脚、いつ治ったんだ?

古宮桐也は全身に怒気をまとい、棒を振り下ろして男たちを叩き伏せる。さらに、千葉晴美の背後から襲いかかろうとしていた男へ、容赦のない蹴りを...

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