第111章 誰の差し金か

しかし、西園寺琴音は決して眠ってなどいなかった。

背後から聞こえる微かな衣擦れの音。その瞬間、彼女の全身の神経が爆ぜた。

彼女はカッと目を見開いた。闇の中、二つの黒い影がベッドの脇に立っている。目と鼻の先だ!

窓から差し込む月明かりが、片方の影が手に持つ紐を冷酷なほど鮮明に照らし出している。

殺される!

西園寺琴音の心臓が一瞬凍りつき、生存本能が即座に体を突き動かした。身を翻して避けようとする。

だが、一瞬遅かった!

肩を浮かせた刹那、大柄な女の目に凶悪な光が宿り、両腕が勢いよく振り下ろされた。

動きは速い。手にした布紐が西園寺琴音の首に巻きつき、そのまま全体重を乗せて後ろへ...

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