第117章 永遠に男は無数

西園寺琴音は一瞬きょとんとした。こんな早朝に、一体誰だろう?

電話の向こうの探偵に手短に指示を出し、通話を切る。

足の激痛をこらえ、ベッドからどうにか降りると、壁を伝いながら一歩ずつ慎重に玄関へと向かった。

ドアスコープから用心深く外を覗く。

だが、その瞬間、西園寺琴音の呼吸が止まった。

ドアの外に立っていたのは、黒のスーツを着こなした長身の男。その端正な眉間には、微かな疲労が滲んでいる。

陸奥司だ!

西園寺琴音は反射的に眉をひそめた。

何をしに来たの?

どうしてここが分かったの?

無数の疑問が脳裏を駆け巡り、激しい拒絶感が込み上げる。

昨日、病院であれほど二階堂瑠璃を...

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