第119章 彼の胸に倒れ込む

西園寺琴音の瞳から、光が急速に失われていった。

彼女はソファに深く身を沈め、眉間に深い皺を刻んで沈思黙考する。

ペーパーカンパニー、海外送金、幾重もの隠蔽工作、追跡不可能……。

その手口は鮮やかで、あまりにプロフェッショナルだった。

突発的な殺人依頼ではない。これは、計画的な口封じだ。

二階堂瑠璃か?

西園寺琴音の脳裏に、彼女の顔が浮かぶ。

確かに二階堂瑠璃は小賢しい策士だ。恩情と陸奥司の負い目を利用して陸奥家での地位を固め、離間工作や陰湿な嫌がらせをする……それくらいならやるだろう。

だが、今回はあまりに周到だ。海外での工作まで絡んでいる。

陸奥家をバックにしているとはい...

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