第123章 一晩の看病

彼は言葉を切り、ふと横を向いた。

西園寺琴音は小首をかしげた姿勢のまま、ピクリとも動かない。両目は固く閉じられ、呼吸は聞き取れないほどに浅い。

「西園寺琴音?」

呼びかけても、反応はない。

彼は眉をひそめ、その華奢な肩にそっと触れた。

「琴音?」

触れた瞬間、西園寺琴音の身体が糸の切れた人形のように、力なく彼の方へと崩れ落ちてきた。

意識を失った彼女が彼の肩にもたれかかり、その額が彼の首筋に触れる。

焼けるように熱い。

陸奥司の心臓が、ドクリと重い音を立てた。

その時ようやく、彼は悟った。彼女の身体が、とうに限界を迎えていたのだと。

連日続いた不眠不休の研究、繰り返され...

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