第154章 ピクニック

「陸奥司!」

天王寺湊は一歩踏み出し、再び彼の行く手を阻んだ。その口調は強硬だった。

「彼女の意思を無視して、また強引に連れ去るつもりか! もう妻ではないと言うのなら、彼女自身の選択を尊重すべきだろう!」

そう言いながら、彼は西園寺琴音の体を揺り動かし、彼女に選ばせようと手を伸ばした。

だが、その手が届くよりも早く、陸奥司がそれを遮った。

「酔っている」

陸奥司は鋭く遮り、有無を言わせぬ響きを放った。

天王寺湊につけ入る隙など与えず、腕の力を強めると、泥酔して眠りこける彼女をさらに強く抱き寄せた。

西園寺琴音は正体不明になるほど酔っており、二人の争いなど知る由もない。

彼女...

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