第186章 絶対に目覚めてはならない

彼女は携帯ゲーム機を七海の目の前でちらつかせ、甘い毒を含んだ声で囁いた。

「遊びたいでしょ? ここにはね、七海ちゃんが一番好きなレースゲームが入ってるのよ」

七海の瞳が瞬時に輝きだす。先ほどまでの落胆は、どこか遠くへ吹き飛んでしまったようだ。

彼は興奮して飛び跳ね、手を伸ばして掴みかかった。

「やりたい! 僕、やりたい! 瑠璃姉さん大好き!」

「シーッ」

二階堂瑠璃は人差し指を唇に当て、静かにするよう合図を送る。その視線は、ベッドに横たわる真夏へと向けられた。

「静かにね。妹ちゃんが休んでるの。七海ちゃんはいい子だから、あっちの窓際のソファで遊んでらっしゃい。静かに遊ぶのよ。妹...

ログインして続きを読む