第224章 英雄、美女を救う

西園寺琴音は、ドアの向こうで満面の笑みを浮かべる二階堂瑠璃を一瞥すると、即座に扉を閉めようとした。

「待って、琴音!」

二階堂瑠璃が悲鳴のような声を上げ、閉まりかけたドアの隙間に躊躇なく手を突っ込んだ。

「きゃあっ!」

ガツン、という鈍い音と共に痛呼が上がる。二階堂瑠璃の手首がドアに挟まれ、赤く腫れ上がった。痛みで彼女の眼眶は瞬く間に潤んだ。

西園寺琴音は、その涙で濡れた瞳を冷ややかに見下ろし、明らかにわざと差し込まれた手首に視線を落とすと、鼻で笑ってドアノブから手を離した。

「二階堂瑠璃、その自作自演の被害者面、ずいぶん板についてきたじゃない」

西園寺琴音の声には、隠せない嘲...

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