第265章 ずっと私に優しくすべきだ

彼女の言葉は、未だしゃくりあげている七海の耳にもはっきりと届いていた。

彼は弾かれたように顔を上げ、涙で滲んだ瞳で、信じられないというように西園寺琴音を見つめた。

まさか本当に母親が父親に電話をかけ、自分を追い出そうとするなんて思ってもみなかったのだ。

電話の向こうの陸奥司は一瞬言葉を詰まらせたようだったが、すぐに「ああ、すぐ行く」と答えた。

「ええ」

西園寺琴音は短く応じ、通話を切った。

「本当に……パパを呼んで僕を連れて帰らせるの?」

七海の声は泣きじゃくっていた。「そんなに僕が嫌いなの? ちょっと泣いただけで、もう僕のこといらないっていうの!? 嫌いだ! ママなんて大嫌い...

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