第277章 新たな拠点

首筋に走る鋭い痛みを感じ、偽の母親の背中は一瞬にして冷や汗でぐっしょりと濡れた。

脈打つ最も激しい場所に陶器の破片が押し当てられているのが、はっきりとわかる。あとほんの少し深く食い込むか、あるいは西園寺琴音の手がわずかに震えただけで……。

「わたし……わたしは……」

その声はひどく震え、眼球をせわしなく動かしながら、まだ最後の足掻きを見せようとしていた。

「あの薬は……ここにはないわ……持ってい、持っていかれたの……わたし、わたしは脅されただけなのよ。琴音、信じてちょうだい。操られて、どうしようもなかったの……」

しどろもどろに弁明しながら、哀願するような目で西園寺琴音を見つめる。...

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