第280章 こんなに私を気にかけてくれる

そんな悪夢が幾日続いただろうか。西園寺琴音がまたしても混沌とした悪夢から抜け出し、はっと目を見開くと、不意に彼女を優しく見つめる双眸と視線がぶつかった。

その瞳の持ち主は、ベッドに静かに横たわっていた。顔色はまだ蒼白ではあるものの、もはや生気のない青白さではなかった。

酸素マスクはすでに外されており、彼はわずかに顔を横に向け、透明なガラス越しに、いつからそうしていたのか、静かに彼女を見つめていた。

稲崎秀信だ。

彼が、目を覚ましたのだ。

西園寺琴音は一瞬呆然とし、直後、途方もない歓喜が込み上げてきた。

弾かれたように立ち上がると、すぐさまガラス窓に駆け寄り、冷たいガラスに両手を押...

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