第284章 もう気にしない

その時、傍らにいた七海は、母親が自分を拒絶しただけでなく、父親に対してあそこまで激怒しているのを見て、心の中の身勝手な感情が一瞬にして理性を押し流した。

彼は猛然と駆け寄り、金切り声を上げた。

「ママなんて嫌いだ! 他の人にばっかり優しくして!」

言い終わるや否や、全身の力を振り絞り、両手でテーブルの上の膨らんだ保温バッグを力任せに突き飛ばした。

「七海!」

陸奥司の遅すぎる制止は、もはや間に合わなかった。

ガシャン――バシャッ!

保温バッグが音を立てて床に落ち、丹精込めて煮込んだスープがぶちまけられた。もうもうと湯気が立ち上り、床の上一面に散乱する。

時間が一瞬、凍りついた...

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