第91章 除名

次の瞬間、ようやく確信したのか、その瞳がぱっと輝き、西園寺琴音目掛けて飛びついてきた。小さな両腕が、西園寺琴音の脚をぎゅっと抱きしめる。

「ママ! ママ、本当に帰ってきたのね」

真夏は小さな顔を彼女の脚に擦りつけ、驚きと喜びに満ちた声を上げた。

「真夏、すごく会いたかった!」

西園寺琴音の体が、石のように硬直した。

娘の柔らかく温かい体温が伝わってくる。その切実な声が、彼女の心の奥底にある最も柔らかい琴線を爪弾いた。

無意識のうちに腰を屈め、娘の髪を優しく撫でる。声色は自然と甘くなった。

「真夏……」

真夏は顔を上げ、少し唇を尖らせて甘えるように言った。

「ママ、今回はもう...

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