第93章 同一の組織

部屋は再び、静寂に包まれた。

西園寺琴音は部屋の中を行ったり来たりしていた。空気には、息が詰まるような重苦しい圧迫感が漂っている。

このまま座して死を待つわけにはいかない。

彼女は不意に足を止め、視線を少し離れた場所にある引き出しへと向けた。目を細め、決意を固める。

――今こそ、あれを使う時だ。

陸奥家で過ごした数年間、精神的には地獄のような日々だったが、学んだことも多かった。

「若奥様」という立場を利用し、彼女は密かに自分だけの人脈とリソースを築き上げていたのだ。

琴音は深く息を吸い込むと、書斎の机へと歩み寄った。鍵のかかった引き出しを開け、普段は決して使わない暗号化された携...

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