第96章 情愛に満ちた様子

陸奥司の号令が下るや否や、背後に控えていた精鋭たちが一斉に躍りかかった。

誘拐犯たちも多少の腕力はあったようだが、プロのボディーガードの前では赤子も同然だった。

反撃の隙さえ与えられず、鮮やかに制圧されていく。

彼らは両手を背後にねじ上げられ、冷たい地面に顔を押し付けられた。

「陸奥司! よくもハメやがったな!!」

男は一目で相手の正体を悟った。

これほど迅速に現れ、訓練された私兵を従えている人物など、あの名門陸奥家の跡取りである陸奥司以外にいるはずがない。

男は額に青筋を浮かべ、必死に首をもたげると、充血した目で陸奥司を睨みつけた。

しかし陸奥司は、男に一瞥もくれず、ただ昏...

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