第120章子供は心の中の手に負えない禁断の領域

「ロン、そこで止まりなさい!」

ロンが車に辿り着いたその瞬間、女が追いついてきた。

彼は振り返り、腰に手を当てて怒りに燃える目で立ちはだかる女を、氷のように冷ややかに見やった。

「……なんだ、おまえか。任務に出ていたんじゃないのか」

パールはトビアスの妹だ。だからロンも当然、顔くらいは知っている。

ただし彼は生来の冷淡さで、誰に対しても距離を取り、近づけない。トビアスを通じて知ってはいても、所詮は顔見知りで、親しい間柄ではなかった。

パールのほうも、ロンをどうこう思ってはいない。

ロンは子どものころからあの無表情を貼りつけたまま――まるで感情のない機械みたいだった。

いったい誰...

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