第160話芝生でトラブルを巻き起こすということは、怒りに直面することになる

ホテルのスイートルームに、押し殺した喘ぎ声がこもって反響していた。

エミリーは乱れたベッドに横たわり、体内を焼き尽くすような熱に耐えきれず、身体を小さく丸めている。青白い顔には、細かな汗の粒が浮かんでいた。

くそ……迂闊だった!

身体の内側で燃え盛る火に意識は霞んでいたが、それでもわずかな理性と自覚だけは残っていた。

今日ホテルで起きたことを思い返す。あれほど用心していたのに――どうして引っかかった?

どこで間違えた?

いつものエミリーなら、落ち着いて筋道を辿れば要所は見抜けたはずだ。だが今は、薬の作用に意識の大半を奪われ、考えをまとめることすらままならない。

そのとき、閉ざされ...

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