第164話男の言葉は信用できない

部屋の中で、エミリーがジャスパーのズボンを脱がせ、擦りむいた膝を目にした瞬間、彼女の顔全体が氷と雪でも張りついたかのように、さっと凍りついた。

冷えきった表情のまま救急箱を取り出し、子どもの膝の傷に、あざ用の軟膏をそっと塗っていく。

ジャスパーはぱちぱちと瞬きをした。エミリーの瞳に浮かぶ冷たさと胸をえぐる痛みを見上げると、小さな手を伸ばし、彼女の頬に触れて慰めようとした。

「ママ、悲しまないで。痛くないよ」

――ばかな子。痛くないはずがない。メイソンを守ってくれて、ありがとう。

エミリーの胸には、怒りと罪悪感が同時に渦巻いていた。

自分自身にも、トーマス家にも、そして何よりジェーム...

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