第23章二つの事件、1人の殺人者

「彼女が置いていった薬に、何か問題があるのか?」ジェームズが尋ねた。声音は氷のように冷たく、表情は険しい。

「まだ断言できないわ。ここには必要な器具がないもの。色と匂いから、せいぜい大まかな推測をするくらい」

エミリーは黙って薬を片づけ、携帯電話を取り出して友人のトーラ・ホワイトにメッセージを送った。

トーラは留学中に知り合った友人だった。世界的に名の知れた医師で、さまざまな薬物の研究実績も豊富だ。

エミリー自身も医学を学び、上級医師の資格まで取ってはいる。それでもトーラと比べると、どこか一歩及ばない気がしてしまう。

[エミリー、息子さんを捜しに帰国したんじゃなかったの?どうして私に...

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