第248話腐った肉を切り落とすことだけが再生を歓迎できる

「アトラス、あなた、本当に……」

アトラスはトーマス家に長年仕える老執事だった。トーマス邸で幾年にもわたって誠実に働いてきたのだから、キアナとしては疑いたくなどなかった。

だが、ジェームズの言葉を聞いてしまった以上、キアナの胸には疑念の種が落ちた。

アトラスは本当に、ジェームズの言うとおり、ジェームズの才覚を認めたくなかったのだろうか。

ジェームズを敬わないのなら、いったい誰を敬っている?

キアンか。

それともレッドか。

すでにトーマス邸を追い出され、牢に放り込まれたレッドの顔が脳裏に浮かぶと、キアナの表情はみるみる険しくなった。

「おばあさま、お顔色がひどいわ。お部屋で休みま...

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