第267話陰謀を企むジェームズ

「朝からステーキ?」

「余計なお世話よ」

エミリーは明らかにジェームズに反発するつもりだった。ジェームズの不機嫌な表情など見えていないふりをしてメイソンを抱き上げ、そのまま玄関を出ていく。

エミリーの背中が外へ消えていくのを見送った瞬間、ジェームズの顔に漂っていた陰りがすっと消え、代わりに珍しいほどの柔らかさが浮かんだ。明るい瞳に、決意の光がきらりと走る。

「エミリー……もう俺から離れられない」

一方そのころ、エミリーはメイソンを連れて朝食に出ていた。

もちろん、本気で朝からメイソンにステーキを食べさせるつもりなどない。子どもの胃は弱いし、朝からあんな脂っこい高カロリーのものはよく...

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