第27話お母さん、迎えに来ました

キアナは、扉をくぐった瞬間にこれほど劇的な光景に出くわすとは、夢にも思っていなかった。

最初にキアナに気づいたのはエヴァだった。反射的に、言い争っている夫婦へ切羽詰まった声を飛ばす。

「ねえ、やめて!トーマス家の人が来た!」

「トーマス家だと?なにを――」

フィンが振り向き、入口に立つキアナを見た。ぎょっとして、今にも吐き捨てるはずだった罵声が喉の奥でつかえた。

デラもキアナに気づき、慌てて手を止める。

しばしの間、居間は気まずい沈黙に満たされた。

ジョンソン家のリビングは惨憺たる有り様だった。フィンもデラも乱れていたが、とりわけデラがひどい。かつては上品だった服は裂け、肌が半分...

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