第281章エミリーは正確には何を隠しているのか?

「トーマスさん」

マークはオフィスの扉を押し開け、両腕に書類の束を抱えたままジェームズのほうへ歩いていった。

ジェームズはコンピューターの向こう側で書類をさばいていた。シャツの襟元は外され、首筋には吸い痕がのぞいている。

ふだんの几帳面なジェームズを思えば、服装を乱したまま会社に来るはずがない。

つまり、これは明らかにわざとなのだ。

もしかすると、ジェームズとエミリーの関係に新しい進展があったのだろうか。

マークは少し気になった。胸の奥で野次馬根性がむくむくと頭をもたげ、エミリーとの恋の進み具合を聞いてみたくてたまらない。

だが、報告すべき大事な用件を思い出すと、すぐにその好奇心...

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