第282話馬鹿ごっこ遊び

「今夜、エミリーがどこで夕食を取るのか、誰と一緒なのか調べてこい」

「トーマスさん、エミリーにはもう少し距離を置いてあげたほうがいいと思います」

「心配なんだ。あいつは世間知らずで――誰かに騙されたらどうする?」

……ジェームズ、本気で言ってるの?

エミリーが鋭い女だってことくらい、誰だって知ってる。いったい誰が彼女を騙せるっていうの。

それに――。

マークは、かつてトーマス邸で目にした光景を思い出し、内心ぞくりとした。エミリーが力づくでトーマス家の面々をきっちり従わせた、あの瞬間だ。

誰にちょっかいを出してもいい。だが、エミリーだけは駄目だ。

心の中で文句を垂れながらも、マー...

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