第286話二人の男の目に見えない戦争

「ほら、君のためにこのイヤリングを買ってきた。前に贈ったネックレスに、きっとぴったりだよ」

ジェームズはエミリーの脇に片手をつき、もう片方の手でポケットから小さな箱をするりと取り出して、彼女の目の前に差し出した。

箱が開くと、ひと組のダイヤのイヤリングが陽光を受けて眩いほどにきらめき、通りすがりの人々から興奮した嬌声が上がった。

「まあ、なんてきれいなダイヤのイヤリング!」

「ヴィオレットの作品みたいなデザインね」

「あなた、見て。私があなたと結婚したときなんて、もらったのはプラチナのネックレスだけだったのよ。あのときこんな素敵なダイヤのイヤリングをくれてたら、何年も迷ってから結婚す...

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