第306話ジェームズはブライアーの正体を疑い始める

ジェームズは病室の扉のところへ戻り、そこにいたエミリーと真正面からぶつかった。

マークは、ブライアーとの思いがけない遭遇のせいで、ジェームズの機嫌が最悪だと分かっていた。あの短気さでは、いつエミリーと口論になってもおかしくない。

巻き添えを食うのはごめんだ。マークは適当な口実を作ると、さっさとその場を離れた。

こうして病室には、ジェームズとエミリーだけが残った。

「さっき、どこへ行ってたの?」

エミリーはジェームズの陰った表情に気づかないのか、手にしていた弁当箱をテーブルに置きながら、何気なく尋ねた。

背後から返事がないまま少し待って、エミリーは首をかしげて振り返り、困惑した顔でジ...

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