第347話愛の酸味と苦味

トーマス・グループ。

オフィスでは、二人が向かい合って座っていた。

女性秘書はお茶を運び込み、ついでに上司の噂話を社内グループチャットに投下しようと目論んでいた。ところが、室内に漂う息苦しいほどの圧に気圧され、そそくさと退散してしまった。

社内グループチャット:

[あれ、怖すぎ!]

[何があったの? 社長と新しいアシスタントが……ほら、アレ?]

[見たんだけど、社長と新しいアシスタントが向かい合って座っててさ。二人とも険しい顔で、一言も喋らないの。今にも殴り合いになりそうな感じ]

[やばっ! おいしすぎる!]

以前なら、マークがどこかで見張っていて「やめろ」と釘を刺したかもしれ...

ログインして続きを読む