第356話この女には心がないのか?

その晩、キアナの家で夕食を済ませたあと、ジェームズとエミリーはアイアンウッド・エステーツのアパートへ車を走らせた。

一日の出来事で疲れたのだろう、後部座席ではジャスパーとブライアがぐったりともたれ、二人そろってうとうとと舟をこいでいる。

エミリーは子どもたちと一緒に後部座席に座り、ジェームズは当然のように運転席に収まった。

車内は終始、沈黙に包まれていた。

アパートに戻ると、エミリーは子どもたちを部屋へ連れて行って休ませようとした。だが、ジェームズがそれを制した。

「話がある」

エミリーの足がわずかに止まる。振り返ると、玄関口に立つジェームズの硬い輪郭が、淡い灯りの影に溶けて表情を...

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