第361話眠れない夜

ロウ家の別荘。

エミリーがロウ家の邸宅の玄関に着き、呼び鈴を押したその瞬間、扉が勢いよく開いた。震える人影が、エミリーの胸へと飛び込んでくる。

「ハーマイオニー、来たわ。あなたのために」

エミリーは抱きしめたまま、かすかに震える背を宥めるようにぽんぽんと叩き、それからハーマイオニーの手を取って中へ導いた。

「何があったの。話して」

「ちょっと……ちょっとだけ待って」

ハーマイオニーは先ほどベッドに放り投げていた携帯電話を、半ば取り乱したように掴み上げた。画面を一瞥すると、涙をいっぱいに溜めた目でエミリーを見上げる。

「切られた……」

「落ち着いて」

エミリーはハーマイオニーを...

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