第364話私の最愛の人

ジェームズはデイモンに電話をかけた。

ジェームズが通話しているあいだ、エミリーはノートパソコンを取り出し、キーボードを規則正しく叩きはじめた。

かなり時間が経ってから、ジェームズは通話を切り、机に座るエミリーへと視線を向けた。

安全上の理由から、借りた部屋には通りに面した窓がひとつしかなく、分厚い遮光カーテンで塞がれていた。

部屋は薄暗く、天井からぶら下がった一灯の照明がちらつきながら灯っているだけだった。淡い黄色の光は、闇をかろうじて押し返す程度にすぎない。

その人工の光が、集中した横顔の輪郭をなぞるようにエミリーに落ち、霞がかった美しさを生んでいた。ジェームズは一瞬、見とれている...

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