第372話この男がもたらす安心感

ロンがサミュエルの入院を知ったのは、前日、部屋の外に立つ二人の護衛からだった。

サミュエルは病気なのか?

サミュエルがなぜ血を吐くほど咳き込んだのか、ロンには分からない。だが、ただの体調不良で片づく話ではない――そんな予感が、胸の奥でしつこく鳴っていた。

とはいえ、ここを出ることも、サミュエルに会うこともできない。しかも、口は軽いくせにユアンへの忠誠だけは異様に固いあの二人の護衛から情報を引き出すのは不可能だった。

外にいるラヴィニアに連絡を取る手段を、何とかして見つけるしかない。

ロンは視線を落とし、頭の中で既に算段を組み始めていた。

その夜遅く、寝支度をしていたロンの耳に、外か...

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