第376話ほこりに封印された過去

オーシャンクレスト市の外れに、人目を避けるようにひっそりと墓地があった。

見渡すかぎり、静かな小さな庭園から墓標の列が整然と突き出している。コオロギ一匹鳴かず、鳥のさえずりもない。

まるで誰かがこの場所の「一時停止」を押し、時そのものを凍らせてしまったかのようだった。残されたのは、胸の奥まで沁みる、深く哀しい静寂だけ。

そのとき、不意に一人の影が足を引きずるように墓地へ入り込み、陰鬱な景色にわずかな色を差した。

訪れたのは、ラモス家の執事、サミュエルにほかならなかった。

サミュエルは籠を携え、ある墓標の前まで行くと、しばらく黙って立ち尽くした。それから墓の周りの雑草を抜き、澄んだ水で...

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