第384話豪雨に閉じ込められたふたり

「いったい、どうなってるの……?」

エミリーは目の前の光景に眉をひそめた。

彼らの車は、曲がりくねった山道の途中で立ち往生していた。進路をふさぐように、巨大な倒木が道を横切っている。

夕暮れの名残の光がエミリーの頬を焼くほどではない。だが、ざらついた風が頬を容赦なく叩き、ひりつくような赤い腫れを残した。

台風が近づいているのだ。

どうして、こんなことになったのか。

もともとの予定では高速道路を使うはずだった。渋滞も事故もなければ、今の速度なら日が暮れる前にサービスエリアに着ける。

ところが運が悪いのか、よりにもよって今日に限って高速で多重事故が起き、道路は完全に動かなくなっていた...

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