第386話月の女神を探しにやってきた

ジェームズの足取りがわずかに鈍った。ルーシーのしつこさが神経に障ったが、礼儀として、彼は振り返って彼女と電話番号を交換し、それから足早にその場を離れた。

ルーシーは携帯電話を握りしめ、遠ざかっていくジェームズの背中を見つめた。その瞳には、揺るがない決意の光が宿っていた。

病院での検査を終えたジェームズのもとに、キアナから電話が入った。

「ジェームズ、旅行から戻ったって聞いたけど? 向こうで何か大変なことでもあったの?」

キアナは矢継ぎ早にいくつも質問を投げてくる。

また誰かが、キアナに余計な噂話を吹き込んだのだろう。

ジェームズは苛立ちをこらえながらこめかみを揉んだ。キアナは体が弱...

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