第400話封印された悪夢のような記憶

ジェームズが部屋に足を踏み入れると、互いの腕の中に抱き合う二つの影が目に入った。頬を伝う涙は音もなく流れ落ちている。その光景に、彼のまなざしはふっと和らいだ。

メイソンはエミリーの胸に静かに身を預けていた。ドアのそばに立つ男へ顔を向け、涙で濡れたまぶたをぱちりと瞬かせる。唇がかすかに震えた。

「……パパ」

その柔らかな呼び声が、旅のあいだずっとジェームズが握りしめていた緊張を粉々に砕いた。背の高い男は、子どもの前で涙をこらえきれなかった。

彼はベッドサイドへ大股で歩み寄り、メイソンの細く柔らかな髪をそっとくしゃりと撫でた。声が途切れそうになる。

「パパはここだ」

メイソンの声を聞い...

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