第53章エミリーの演技に協力する時が来た

トーマス家。

「エミリーはいったい何を考えてるの? どうしてメイソンを、ひと言の相談もなく学校から引っこ抜けるわけ?」

エミリーがジャスパーと連れ立ってトーマス邸の壮麗な玄関をくぐった、その瞬間だった。苛立ちに満ちたリリアナの叫びが、廊下に反響して耳に飛び込んできた。

「奥さま、お帰りなさいませ」

アトラスが扉を開け、笑顔でエミリーを迎える。

エミリーは口元に薄い笑みを刻み、ジャスパーの手を引いたまま邸内へ入った。

家に足を踏み入れた途端、ジャスパーは好奇心いっぱいにあたりを見回した。

(なんて豪華な屋敷だ。エリシアン・レジデンシズの今の家より、ずっと広い……)

(ここがメイソ...

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