第84章ジェームズの部屋に入ったのは誰

「いいえ、大丈夫。メイソンは今日はちょっと怖い思いをしたし、家に連れて帰って休ませてあげたいの」エミリーは少し考えてから、やわらかく言った。

「わかったわ」キアナはうなずいた。愛おしげな笑みを浮かべてジャスパーに向き直る。「メイソン、私にお別れを言ってちょうだい」

ジャスパーは心優しいキアナを見上げた。理屈で言えば、キアナはあの鬱陶しいジェームズの身内だ。嫌って当然のはずだった。だがキアナの手はごつごつしているのに、あたたかくてやさしい。エミリーのぬくもりとはまた違う。嫌いにはなれなかった。

ジャスパーは一歩前に出て、点滴のせいで冷たくなったキアナの手をそっとたたいた。「ひいおばあちゃん...

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