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身体を横に向け、胃の中のものをすべて吐き出した。ベーコンエッグは、もう以前のように食欲をそそるものには思えなかった。

全身の痛みを感じながら、どうにか目を開ける。呻き声を漏らして上体を起こすと、手首に巻かれた鎖を見つめた。

私は床に座っていた。ここは、掟を破った狼たちを拷問するために使われる小屋のひとつだ。尿と吐瀉物の臭いが、さらに胃をむかつかせた。

窓の隙間から差し込む光は、この場所と同じで粗末なものだった。流し台と小さな鏡、それにトイレ代わりに使う盥のほかには、何もない。

自分の両手を見下ろす。銀の鎖が肌を焼いていた。

泣きたかった。でも、私が苦しむ姿を見てあの男を満足させるものか。涙も、...

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