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サヴァンナ・ボーエン視点

まあ、フェンリルの命令にきっちり従ったわけじゃない。というか、従うつもりなんて毛頭ない。でも、マリリンと彼には過去があった。彼女は彼の気を引いて、気に入られようと必死みたい。なんだか、いわくつきって感じだ。

「マリリン様は気難しい方ですから」彼女はため息をつき、首を横に振った。「カタリナ様の一番の親友だったんですよ」

私は口をぽかんと開けて、彼女の方へと完全に体を向けた。

「なんですって?」

『あの女、とんでもない性悪なだけじゃなく、裏切り者だったなんて』

ニコレタはベッドを整え終えると、掃除道具をまとめ、ドアの方へ向かった。

「お二人は親友同士でした。...

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