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フェンリル・ダネシュティ視点

彼女は錠剤を手にしていたが、もはや自制心を失っているようだった。空いている方の手で自らの胸をさすり、ピンク色の乳首を弄びながら、喘ぎ声を漏らした。

「抑制剤を飲め。今すぐだ!」

事態が取り返しのつかなくなる前に、俺はアルファとしての権威を行使して彼女に命じた。

他者を畏怖させる俺の匂いに彼女は耐性があったが、リーダーとしての俺の権威には逆らえなかった。彼女は瞬きをして、霞む視界を晴らした。

「ああ、もう、どんどんひどくなるわ」彼女はそう呟くと、薬の袋を開けて一度に二錠を口にした。「倍の量を飲む」

「初回はこんな感じじゃなかったのか?」俺は興味をそそられて尋ねた。...

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